正論

大嘗宮の建築仕様は伝統遵守で 東京大学名誉教授・小堀桂一郎

東京大学名誉教授・小堀桂一郎氏
東京大学名誉教授・小堀桂一郎氏

 新帝陛下御即位関連行事の中で皇室伝統と最も密接に繋つてゐる大嘗(だいじょう)祭の儀の斎行(11月14・15日)も約2箇月後に迫つて来た。今回の大嘗宮の造営について宮内庁の大礼委員会は平成30年12月にその設計方針を公表したが、それによると基本的には平成度の様式に準拠するが、〈儀式の本義に影響のない範囲での工法・材料の見直し〉を通じ建設費の抑制や規模の縮小を図る予定であるといふ。

 ≪「儀式の本義」の重大な変更≫

 ところでこの時公表された、悠紀殿・主基殿・廻立殿の主要三殿の屋根仕様を旧来の茅葺(かやぶき)から板葺へと変更するのは明らかに〈儀式の本義〉の重大な変更に当るものであるから、全国の神社に於(お)ける神殿建築の在り方に多年の造詣を蓄積してゐる神社界から疑問の聲が揚(あが)り、それに同調して民間にも宮内庁の伝統軽視の態度に向けての批判の聲が高まつて来た。