正論

台風19号被害は「人災」である 京都大学大学院教授・藤井聡

千曲川の決壊現場付近=10月15日、長野市(本社ヘリから、恵守乾撮影)
千曲川の決壊現場付近=10月15日、長野市(本社ヘリから、恵守乾撮影)

 東日本を中心に凄(すさ)まじい被害をもたらした台風19号。その決壊箇(か)所は実に71の河川、140カ所、死者、行方不明者は100人近くにまで上った。その襲来から1カ月がたったが被災地は未(いま)だその巨大な傷痕に苛(さいな)まれ続けている。救護、救援、そして速やかなる復旧復興が進められている状況ではあるが、並行して決壊、氾濫した箇所や免れた箇所に関する様々な事後検証も徐々に始められている。

 ≪治水への投資の差は顕著だ≫

 その結果明らかになったのが、次の一点だった。「ダムや堤防、河道掘削など、しっかりとした治水投資が行われたところは決壊を免れ、そうした治水投資がおざなりにされたところで、数多くの決壊が発生した」