正論

一本道歩んだ木村汎教授に捧ぐ 防衛大学校名誉教授・佐瀬昌盛

正論大賞受賞記念大阪講演会 講演を行う木村汎・北海道大学名誉教授=平成29年3月23日、大阪市北区(彦野公太朗撮影)
正論大賞受賞記念大阪講演会 講演を行う木村汎・北海道大学名誉教授=平成29年3月23日、大阪市北区(彦野公太朗撮影)

 さる11月14日午後10時、袴田茂樹教授から「木村汎(ひろし)さん逝去」の電話が入った。私は鎌倉に住むので、産経(神奈川版)がそれを報じたのは翌15日のことであった。故人との付き合いがいつ始まったのか、正確には記憶がないが、ソ連のブレジネフ政権時代であったことだけは間違いない。

 当時、木村、袴田両氏と共に私は、末次一郎安全保障問題研究会事務局長がソ連科学アカデミーの東洋学研究所(プリマコフ所長、のちロシア首相)、世界経済国際関係研究所(ヤコブレフ所長、のちソ連共産党政治局員、ペレストロイカ路線の推進者)、米加研究所(アルバートフ所長)との間で組織した日ソ専門家会議の若きメンバーだった。吹浦忠正氏(現ユーラシア21研究所理事長)は、末次氏が最も信頼する、いわば事務局次長として連絡役を担当した。