正論

「和を以て」令和憲法の前文私案 東京大学名誉教授・平川祐弘

 「主基殿供饌の儀」のため、祭服を着て大嘗宮の主基殿に向かわれる天皇陛下=15日午前0時31分、皇居・東御苑(代表撮影)
 「主基殿供饌の儀」のため、祭服を着て大嘗宮の主基殿に向かわれる天皇陛下=15日午前0時31分、皇居・東御苑(代表撮影)

 日本をとりまく国際環境は悪化する。それに感づく人がふえたせいか、防衛力増強への反対が減った。以前は「平和憲法を守れ!」とむきになる婦人や宗教者がいて、カルチャー・センターの教室でも場違いな発言をしたが、世間の風向きが変わり出した。クラスの後お茶を飲みながら憲法改正を口にしても、怖い顔をされない。

 ≪知的成熟してきた日本社会≫

 受講者には戦後のベビー・ブーム世代が多い。1946年憲法にあやかった憲一という名の人もいる。戦後民主主義の「団塊の世代」だが、学生時代にストを繰り返した。戦後教育の感化は続き、昭和天皇崩御の頃、神道について私が比較文化論的見地から講義すると、右翼呼ばわりされた。しかし今は60年安保騒動の高調と安保法制反対の低調にふれても、反発はない。往年の活動家も「日本のメディアも野党も惰性的に反対するだけで能がない」などとソフィスティケートした口をきく。