
≪「お尋ね者」の来日≫
2019年6月、ある中国人(X氏)が関西空港に到着した。彼は入国審査の際、手短に本人確認等の聴取を受けたようだが入国し、日本人ビジネスマンと面談してほどなく日本を離れた。
なんでもない話と思われるかもしれないが、その後、X氏の来日情報が、日本政府から国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)へ通報されていたことが分かった。
X氏は中国・上海に拠点を置く貿易会社の株主兼代表取締役で、実は米国政府がインターポールを通じて手配中のお尋ね者だ。罪状は米国製の核関連の輸出規制品の対イラン不正輸出だ。X氏の情報は、インターポールの国際逮捕手配書「レッド・ノーティス」にある。だがインターポールはこれをホームページ等では公開しておらず、X氏は自らが国際手配中との事実を知らないのかもしれない。