正論

「日本特殊論」を排し司法改革を 早稲田大学教授・川本裕子

東京地検が入る中央合同庁舎第6号館(大西史朗撮影)
東京地検が入る中央合同庁舎第6号館(大西史朗撮影)

 ゴーン日産元会長の逮捕や取調べ過程では、日本の検察に対する国際的批判が強まったが、保釈中の逃亡は、日本の司法制度の権威を著しく傷つけた。検察・法務省は、日本の司法制度の正当性について国際的な主張を強める勢いだ。しかし、日本の制度について客観的な自己認識を持たなければ、独善的な主張と受け取られ、かえって国際的信用を失うリスクもある。日本が経済分野でグローバル化に対応してきた経験から学ぶ余地はないだろうか。

 ≪30年前の経済摩擦の教訓≫

 1980年代、日本企業は自動車、家電など様々な産業で輸出競争力を高め、巨額の経常黒字が常態化した。危機感を強めた米国などは日本市場の特殊性、閉鎖性を批判し、是正を迫った。これに対する政府や企業の当初の反応は「日本の制度には何の問題もない」という門前払い型だった。