正論

真の危機に対応する政府の役割 同志社大学特別客員教授・阿川尚之

同志社大学特別客員教授・阿川尚之氏
同志社大学特別客員教授・阿川尚之氏

 2年ほど前、米ワシントンで友人とミュージカル「キャメロット」の再演を観た。「マイ・フェア・レディ」の作詞家と作曲家の手になるアーサー王伝説を下敷きにしたヒット作品で、キャメロットは舞台となる王国の名前である。第1幕でアーサーは妃になるグイニヴィアに、キャメロットの素晴らしさを歌って聞かせる。

 「本当なんだ、本当だよ、国王陛下が決められたんだ。キャメロットは常によい天気であるべし。昔から法律で7月と8月は暑すぎてはならないと決まっている。降雪量も法律で制限され、冬の到来は12月まで禁止。3月2日には春がくる。勅令で夏は9月まで続く。キャメロットではね」

 ≪夢の国「キャメロット」≫

 ブロードウェイ初演は1960年12月。翌年1月に就任したケネディ大統領はこのミュージカルが好きで、フィナーレの1節、「決して忘れてはならない。かつてごく短いあいだ光り輝いた、キャメロットという場所があったことを」を、特に気に入っていた。大統領の暗殺後、人々はその短い在任期間を「キャメロットの時代」と呼んで懐かしんだ。