正論

「公益資本主義」の実現を目指せ 日本財団会長・笹川陽平

 欧米型の株主資本主義が世界を席巻する中、公益資本主義に対する関心が高まっている。株式資本主義、中国型の国家資本主義とも違う新しい形の資本主義で、財務省参与などを務めた実業家・原丈人氏が2007年に「21世紀の国富論」(平凡社)で提唱した。

 株主の利益を最優先する株主資本主義と違い、株主や従業員、顧客、取引先はもちろん地域社会、国もステークホルダー(利害関係者)と捉え、全ての幸せを目指す。日本社会の経営理念となってきた「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」にも繋(つな)がる考えだ。

 ≪内部留保は過去最大を記録≫