正論

「北朝鮮有事」備えるべき時きた 龍谷大学教授・李相哲

韓国側施設「平和の家」で文在寅大統領との会談に臨む北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)と金与正党第1副部長=2018年4月27日、板門店(韓国共同写真記者団撮影、肩書は当時)
韓国側施設「平和の家」で文在寅大統領との会談に臨む北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)と金与正党第1副部長=2018年4月27日、板門店(韓国共同写真記者団撮影、肩書は当時)

 ≪尋常ではない状況なのに≫

 肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの流入を防ぐため、北朝鮮が中朝国境を封鎖したのは1月22日。2月1日付の朝鮮労働党機関紙、労働新聞によると、1月30日には「海上、空中等通路を先制的に完全に遮断封鎖」した。北朝鮮当局は2月25日に「北朝鮮はいまなお一人の感染者も出ていない」と発表したが、韓国メディアは「国境を封鎖する前の1月中旬にすでに8人が新型コロナウイルスに感染して死亡していたことが明らかになった」と報じた。この情報の信憑(しんぴょう)性は高い。

 中国で昨年末、新型コロナウイルスの感染者が確認された後、沈黙を守っていた北朝鮮当局が、コロナウイルスに言及し始めたのは1月28日付労働新聞だった。「(当局はいま)地区を回りながら熱のある患者と従来の治療では症状が改善しない肺炎患者を探しだし、疑わしい場合は徹底的に隔離させるための事業を先行させている」と伝えた。これは1月中旬に感染者が出たことで慌てて措置を取ったとしか思えない。