正論

自由の「インド太平洋」に英仏を 平和安全保障研究所理事長・西原正

平和安全保障研究所理事長・西原正氏
平和安全保障研究所理事長・西原正氏

 「自由で開かれたインド太平洋構想」は、日本が2016年に正式に提案、翌年米国が賛同し、喧伝(けんでん)したものであるが、その後は両国が構想をどう具体化するのかが明確に知らされていない。その間、太平洋とインド洋の接点に位置するアセアン(東南アジア諸国連合)は、独自の考え方を提示して日米とは距離を置いている。

 日米はなぜ具体的構想を提示して関係国との協議を進めないのだろうか。日本はこの構想の拡充に主導的役割を果たすべき絶好の機会を逃しつつあるのではないか。

 ≪日米は何を目指すのか≫

 日米が、インド太平洋地域が自由で開放的な地域となることを目指したその背景には、中国の「一帯一路構想」があった。中国が、アジア、中東、アフリカ、中欧などを包む一大経済圏を創ろうとしていること、および「21世紀海上シルクロード構想」(2013年発表)の名のもとに軍備拡張によって海洋覇権を狙っていることを、日米は懸念し、またシーレーンの安全を守る必要があった。