正論

電力システム改革が残した宿題 国際環境経済研究所理事・竹内純子

国際環境経済研究所理事の竹内純子氏(宮川浩和撮影)
国際環境経済研究所理事の竹内純子氏(宮川浩和撮影)

 ≪4月に迫った発送電分離≫

 本年4月、日本の電力供給が大きな転換点を迎える。東日本大震災以降進められてきた電力システム改革の最終段階である「発送電分離」が行われるのだ。

 電気事業には一般的な製造業と同じく、作る(発電)、送る(送配電)、売る(小売り)という3つの段階がある。発電技術の進歩や消費者志向の多様化に伴い、発電および小売り事業については1990年代から自由化が段階的に進められてきた。多様な事業者が参入し、独自の技術やサービスで競争することが消費者にメリットをもたらすと考えられるからだ。