正論

安定的な皇位継承確保のために 麗澤大学教授・八木秀次

新年一般参賀に臨まれる天皇、皇后両陛下、上皇ご夫妻、秋篠宮ご夫妻と皇族方=1月2日、皇居・宮殿(松本健吾撮影)
新年一般参賀に臨まれる天皇、皇后両陛下、上皇ご夫妻、秋篠宮ご夫妻と皇族方=1月2日、皇居・宮殿(松本健吾撮影)

 新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態宣言も出された中、政府は19日予定の「立皇嗣(りっこうし)の礼」を延期した。賢明な判断だ。儀式では皇族方が多くの人と接触する。内閣府や外務省、皇宮警察の職員も感染している。外国では英国のチャールズ皇太子が感染し、スペインのマリア・テレサ王女は亡くなった。皇位継承権者が限定される中、皇族方に感染が広がれば取り返しがつかない。宮内庁には万全の態勢を望みたい。

 ≪「立皇嗣の礼」延期され≫

 「立皇嗣の礼」延期で、その後に本格的に行うとしていた「安定的な皇位継承を確保するための諸課題」の検討も先延ばしせざるを得ない。政府はこの間、非公式に有識者に意見聴取してきた。確かに女性宮家を創設したり、女性天皇や皇位の女系継承を認めれば、皇位継承権者が拡大し、皇位継承は安定するように見える。しかし、そこには多くの問題がある。