正論

今こそ積極的平和主義の実践を 防衛大学校教授・神谷万丈

新型インフルエンザ治療薬「アビガン」(富士フイルム富山化学提供)
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 国全体が新型コロナウイルス禍による閉塞(へいそく)感に覆われてしまっている今日、外交の重要性は忘れられがちだ。だが私は、日本が今こそ積極的平和主義を実践し、パンデミックという非伝統的安全保障問題に立ち向かうための国際協調を主導すべきことを訴えたい。

 ≪中国の「コロナ」政治利用≫

 世界がこの歴史的厄災から一日も早く元通りの日常を取り戻すには、全人類の英知の結集が必要だ。だが国際社会は中央政府を欠くため、そうした協調はいずれかの大国の主導なくしては実現しにくい。今のような非常時には、主要大国が狭い国益よりも国際的な連帯を優先させて行動することが望ましいが、4月9日の本欄で述べたように、国際政治の現実はそうした理想とはかけ離れている。