正論

ポストコロナの医療体制考える がん研がんプレシジョン医療研究センター所長・中村祐輔

新型コロナウイルスのPCR検査に必要な検体を採取する医療関係者
新型コロナウイルスのPCR検査に必要な検体を採取する医療関係者

 新型コロナウイルス感染症に対応するための多くの措置がはかられている。しかし、PCR検査の拡充は、諸外国と比してまだまだ不十分であり、第2波に対する準備としても、科学的な対策の一環としても急ぐ必要がある。感染症が終息に向かう道筋が明確でない状況を踏まえて、生活様式の変化に迫られているが、医療のあり方も大きく変わろうとしている。

 ≪科学的事実を見据え≫

 われわれがもとの生活を取り戻すまでに、1年かかるのか、数年の歳月が必要なのかは、誰にも予測できない。なぜならば、エイズやエボラ出血熱のウイルスなどと同様に、コロナウイルスはRNAゲノム(遺伝子)を有するためだ。DNAウイルスで起こるB型肝炎にはワクチンは存在するが、RNAウイルスで起こるC型肝炎には、依然としてワクチンはできていない。RNAウイルスは遺伝子変異のスピードが速いためワクチンを作っても、遺伝子が変化して免疫反応からすり抜けるため、ワクチンを作ることが容易ではない。ワクチンが早急に開発されることを願っているが、希望的観測ではなく、科学的事実を見据え対策を練っておくことが重要だ。