正論

疫病で直面した「免疫力」の秘密 動物行動学研究家、エッセイスト・竹内久美子

動物行動学研究家でエッセイストの竹内久美子さん
動物行動学研究家でエッセイストの竹内久美子さん

 生物のテーマは、「生存」と「繁殖」である。生き延びること、そして自分の遺伝子のコピーを増やすこと。

 前者は当然のことだが、後者については少し説明が必要だ。

 自分の遺伝子のコピーを増やすというのは、自分の子をつくることを意味するだけではない。血縁者を介して自分の遺伝子を残すことも含んでいる。だから、自身に子がないこと=繁殖していない、ではないのである。

 ≪生存と繁殖に深く関わる≫

 この、生存にも、繁殖にも深く関わるのが、免疫力だ。ウイルス、バクテリア、寄生虫など、他者に寄生して生きていく連中(寄生者)に対して戦う力である。

 生存に関してはもろにそういうことであるし、繁殖の際になぜその相手を選ぶのか、という選択にも免疫力が関係している。

 この件についてはツバメのオスの尾羽の長さを見てみるとはっきりと分かる。ツバメのオスの尾羽には、両端にひときわ長くて太い、針金のような部分がある。この部分が長いほどメスにモテる。