正論

北の金正恩政権への幻想は禁物 龍谷大学教授・李相哲

北朝鮮の朝鮮労働党政治局会議に出席した金正恩党委員長。朝鮮中央通信が8日配信した(朝鮮通信=共同)
北朝鮮の朝鮮労働党政治局会議に出席した金正恩党委員長。朝鮮中央通信が8日配信した(朝鮮通信=共同)

 ≪朝鮮戦争勃発から70年≫

 金正恩朝鮮労働党委員長主演、文在寅韓国大統領助演の詐欺ショーが幕を下ろそうとしている。舞台セットの一つであった開城工業団地内の南北共同連絡事務所を北朝鮮が爆破したからだ。

 2年余り南北が演じた壮大なショーを見ながら国際社会は改めて一つの真実に気付いたのではないか。「金氏政権」の本質は朝鮮戦争勃発から70年たっても何一つ変わらないということだ。国際環境が変わっても、韓国の政権が変わっても北朝鮮は目標を変えない、諦めない。政権樹立以来、北朝鮮が一貫して追求してきた目標は3つある。米韓同盟の無力化、力の上で韓国の優位に立つこと(核保有)、そして金政権主導の朝鮮半島統一(赤化統一)だ。

 まず米韓同盟の無力化。1950年6月25日、韓国に奇襲攻撃を仕掛けた金日成は3日でソウルを占領、2カ月で韓国最南端の釜山近辺まで進撃、「赤化統一(朝鮮半島を北朝鮮化すること)」を目の前にしたが、米軍の介入で撤退を余儀なくされた。