正論

「防衛的防衛」への発想転換を 防衛大学校教授・神谷万丈

防衛大学校教授 神谷万丈氏
防衛大学校教授 神谷万丈氏

 政府によるイージス・アショアの配備計画撤回をどう見るべきか。

 計画停止という河野太郎防衛相の判断は、英断だったと思う。当初は2基1600億円で2023年度の運用開始を目指すとされていたイージス・アショアは、その後総経費6千億~7千億円と推計されるようになり、導入時期も早くて25年度と後ろ倒しされた。

 その上ここへきて、迎撃ミサイルのブースターの落下制御のためには、2千億円以上の費用と10年以上もの時間がかかることが判明した。新型コロナへの対応で防衛予算の緊縮化も予想される中で、そのような装備に大金を投じるのはよそうとの決断は首肯できる。

≪進化する外敵の経空脅威≫

 だが、北朝鮮をはじめとする周辺諸国のミサイル能力の急速な向上への対応が急がれる中で、17年12月の配備決定から2年半もの時が空費されてしまったという事実は重い。その原因については徹底的な検証が必要だろう。