正論

「銅像」が語る歴史を壊す愚かさ 麗澤大学准教授 ジェイソン・モーガン

英ブリストルでの抗議デモで港に投げ込まれる奴隷商人の銅像(Ben Birchall/英PA通信提供・AP=共同)
英ブリストルでの抗議デモで港に投げ込まれる奴隷商人の銅像(Ben Birchall/英PA通信提供・AP=共同)

 銅像の破壊は歴史的に繰り返されてきた。古代ローマの将軍、皇帝などが制覇したエジプトから、ラムセス2世、トトメス4世などのオベリスクを奪い、勝利のトロフィーとしてローマで展示した。古代エジプトの君主であるファラオも、前のファラオの石像などを取り壊し、石碑から名前を消すなどが頻繁にあった。

 アウグスティヌスの『神の国』では、有名な将軍が都市タレントゥムを「潰した」時、その街の像をあえて壊さなかったことが非常に珍しいと書いている。ほとんどの場合は、敵の神々の像、敵の指導者の銅像、石像などを打ち壊していたわけだから。