正論 戦後75年に思う

覚醒しコロナ後の世界戦略描け 文化人類学者、静岡大学教授・楊海英

中国の習近平国家主席を映す北京市内の大型ビジョン=5月(共同)
中国の習近平国家主席を映す北京市内の大型ビジョン=5月(共同)

 時代は変わった。コロナ禍が変えたからだ。

 中国・武漢市発の新型コロナウイルスが世界規模で流行しなかったら、戦後75年を境目とした日本の戦略も違っていたかもしれない。しかし、パンデミック状態が日本と世界を根本的に異なる方向へと導いていきつつある。

 ≪「歴史は終わらない」≫

 「歴史の終わり」を楽観的に予想していたのは、東西冷戦終結後の一部の識者だった。「巨悪のソ連」が崩壊した結果、欧米のニューレフトや日本の左翼と進歩的知識人はその現実離れした期待を中国に寄せた。非同盟諸国にとっては反米の闘士で、欧米にとっては反ソの英雄と目されたからだ。