正論 戦後75年に思う

中国の嚇しに脅えず行動する時 杏林大学名誉教授・田久保忠衛

7月に南シナ海で航行の自由作戦を実施した米空母「ロナルド・レーガン」と「ニミッツ」など(米海軍提供・AP)
7月に南シナ海で航行の自由作戦を実施した米空母「ロナルド・レーガン」と「ニミッツ」など(米海軍提供・AP)

 ≪日本の指導者は覚悟持て≫

 昨年7月の当欄でトランプ米大統領の日米安保条約に関する発言を論じた際、編集部から「戦後に別れ告げる『第三の黒船』」との見出しを頂戴したが、いよいよ政財界指導者が新しい時代に覚悟を固めるべき機会が到来した。国際情勢全体には冷戦の崩壊を上回る大規模な秩序の崩壊が発生している。戦後に米国主導でつくり上げた国連をはじめとする自由主義的世界秩序が次々と機能不全に陥り、その中で米国の指導性の相対的低下と軍事力を背景に現状変更を進める中国との間の緊張感は最高潮に達した。

 安倍晋三首相が唱えた「自由で開かれたインド太平洋構想」の当事国であるインドとオーストラリアは中国と浅からぬ経済関係を持ちながら強力な制裁措置を発動して米国と同一歩調を取っている。

 直近のニュースで説明しよう。コロナウイルス禍の最中に中国は南シナ海の動きを活発化させ、香港に国家安全維持法を適用し、インドと国境紛争を起こし、豪州と外交上の紛争に入るなど同時に問題を発生させた。