正論

コロナの陰に潜む社会的課題 がん研がんプレシジョン医療研究センター所長・中村祐輔

高齢者の行動自粛の影響が出ている(酒巻俊介撮影)
高齢者の行動自粛の影響が出ている(酒巻俊介撮影)

 新型コロナウイルス感染症は爆発的な拡大を一時的に回避したように見える。この抑止傾向に最大の貢献をしているのが高齢者の行動自粛と考える。日本全体に占める20~30歳代の人口は約21%、70歳代以上の人口約22%と同じレベルにある。しかし、コロナ感染確認者数に占める割合で比較すると、20~30歳代は43%であるのに対し、70歳代以上は11%と約4分の1である(9月1日時点)。

 ≪高齢者の行動自粛の影響≫

 仕事もあり行動範囲も広い20~30歳代と比して、就労者割合も低く活動範囲が限られている70歳代以上では、人との接触機会が少ないうえに、かなりの自粛を行っていることがうかがえる。現に街中では、高齢者の姿がめっきり減ってしまった。特に70歳以上でコロナに感染した方の死亡率は20%近いのだから、外に出る気持ちにはなれない不安感は、高齢者世代の私にはよく理解できる。