正論

米国流「サブ・ナショナル外交」 元駐米大使・加藤良三

元駐米大使・加藤良三氏
元駐米大使・加藤良三氏

 アメリカというと、大統領選とコロナ禍の報道が多くなるのはやむを得ないが、こういう時世であればあるだけ、アメリカ内部に生じている、いかにも民主主義国アメリカならではの現象にも注意を払うことが重要だと思う。

≪市および州レベル外交法案≫

 2019年6月末、米連邦議会下院で、「市および州レベル外交法案」がテッド・リュー議員(カリフォルニア選出。民主党。3歳の時両親と台湾から移住した台湾系で米空軍在籍後政界入り)とジョー・ウィルソン議員(サウスカロライナ選出。共和党)によって共同提案され、同12月中旬に下院を通過、現在上院に付託されているとのことである。

 この法案については「外交」の近代化を考えるとき、現在のアメリカは「非連邦」(ノン・フェデラル)のアクターが安全保障、外交課題に関与することを必要としており、国家レベルより下位にあるリーダーたちが21世紀型パートナーシップを結ぶ時代が到来しているとの趣旨説明がなされ、具体的施策として国務省に「サブ・ナショナル外交」の担当部局を設置することをうたっている。