正論

組織の変革は「暗闇への跳躍」 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

吉崎達彦・双日総合研究所副所長
吉崎達彦・双日総合研究所副所長

 今回のコロナウイルスの感染拡大は、人々の生活様式を大きく変えることとなった。「ステイホーム」期間中に、ホワイトカラーの在宅勤務はごく普通のことになり、外食産業では来店よりもテークアウトを選ぶ人が増えた。

 今は少しずつ正常化の時期にさしかかり、リアルで人が集まる会合も復活しつつある。とはいえ、バーチャルの利便性を知った身には、満員電車での通勤といった今までの「当たり前」が、不都合なことに感じられる。

 ≪「IT発展途上国」ぶり露呈≫

 また、今回のコロナ危機は、わが国行政の「IT発展途上国」ぶりをさらけ出した。国民1人当たり10万円の定額給付金を配布しようとしたら、政府はその業務を市町村に委託せねばならず、郵送による手続きには1カ月以上も要した。しかもオンライン申請ではトラブルが続出し、自治体によって不平等が生じることも判明した。 あるいはリモートで医療や教育を行うことに関しても、現場に必要な機材が足りないのみならず、法的な枠組みにも問題点があった。「日本では感染状況の集計を、医療機関が保健所にFAXで報告している」などの事実も海外メディアから物珍しく見られた。