正論

菅政権にいま望む安全保障政策 金沢工業大学、虎ノ門大学院教授・伊藤俊幸

尖閣諸島を含む東シナ海上空。手前から南小島、北小島、魚釣島=沖縄・尖閣諸島(鈴木健児撮影)
尖閣諸島を含む東シナ海上空。手前から南小島、北小島、魚釣島=沖縄・尖閣諸島(鈴木健児撮影)

 菅義偉政権が発足して約2カ月が過ぎた。「国民のために働く内閣」として、国内問題解決のため矢継ぎ早に課題とその達成を各閣僚に指示している。

 一方外交・安全保障政策に関しても、ベトナム・インドネシアを訪問し、日米に加え豪・印・英・仏・加・NZ・ASEANも表明している「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想具現化の姿勢を見せた。同構想の本質は「北京中心の秩序とFOIPの競争」(デービッドソン米インド太平洋軍司令官)であり、我が国の外交・安全保障政策の中心軸は、日米同盟を基軸とし「対中政策」に取り組むことに他ならない。

 以下安全保障政策に関し、菅政権に達成してもらいたい政策課題について述べてみたい。