正論

尖閣は「戦わずして勝つ」で守れ 平和安全保障研究所理事長・西原正

 ≪中国は孫子の兵法で来るか≫

 「問題は尖閣諸島が中国の手に落ちるかどうかではない。いつ落ちるかだ」。ロンドン・キングス・カレッジのアレッシオ・パタラーノ教授はここ数年の中国の動向を見てこう断言する。

 沖縄県の尖閣諸島に対する中国の攻略戦法は、武力衝突による決戦よりも、時間をかけて徐々に日本に圧力を加えて有利な地位を築き、孫子の兵法に倣って「戦わずして勝つ」選択肢を取ることが考えられる。台湾「解放」も恐らく同じ戦法であろう。