正論

教養教育の「萎縮」を憂慮する 東京大学名誉教授・小堀桂一郎

小堀桂一郎氏
小堀桂一郎氏

 武漢肺炎の蔓延(まんえん)は今になつても終熄(しゅうそく)の見込みが立たず、その不幸な影響の持続に対し我々一般市民も見通しの暗い長期戦に堪へてゆく覚悟を迫られてゐる様である。

 立皇嗣の礼関係行事を始めとする重要な国家的式典・祭礼、各種の公的集会の中止や規模の縮小に加へて、歌舞演劇等の藝能公演に於(お)ける入場者数の制限といつた異常事態の現状を見聞するにつけ、興行者側にも観客・聴衆側にも只管(ひたすら)氣の毒と言ふより他ない、洵(まこと)に心の痛む疫病の災禍ではある。