
菅義偉内閣が始動した。規制改革、デジタル庁、温室効果ガスをめぐる2050年のカーボンニュートラルの目標など、矢継ぎ早に政策の新方針が打ち出されている。働き盛りの閣僚ら面々が、早く成果を出そうと精を出す姿は「働く内閣」を印象付ける。
≪構造改革による「正面作戦」≫
アベノミクスを回顧すれば、労働者数と資本の増加による「量による成長」だったと総括できる。女性と高齢者が非正規労働者として多く労働参加し、金融緩和によって投資が堅調だった。一方でデフレ脱却とコロナ対応のため財政金融政策を最大限活用した結果、国家累積債務と中央銀行資産は大幅に膨張したままだ。