正論

武漢感染症、負の連鎖断ち切れ 日本医科大学教授・松本尚

神奈川県の宿泊療養者に提供されるレストラン「ラタトゥイユ」の「関内ハイカラカレー」(県提供)
神奈川県の宿泊療養者に提供されるレストラン「ラタトゥイユ」の「関内ハイカラカレー」(県提供)

 武漢ウイルス感染の第3波が拡大するに従い報道も過熱の一途を辿(たど)っている。感染者数の増減に一喜一憂するのが日課となってしまった人も多くいることだろう。この数字の多寡で国民が感染状況を把握し注意喚起されている効果もあるが、毎日のように「~で最多」と修飾するテレビの報道ぶりはどう見ても冷静さを欠いている。このことが医療態勢維持の障壁となっていると思料する。

 ≪患者の流れ是正し負担減を≫

 ウイルスへの過剰な恐怖が医療機関での診療の敬遠や行き過ぎた防護策を招き、それが一部病院の負担増につながり、それをメディアは「医療崩壊」と喧伝(けんでん)する、という負のスパイラルからわれわれは抜け出せなくなっているのではないだろうか。この感染症の様相が不明だった頃とは異なり、ウイルスの特性は概(おおむ)ね判明している。