正論

日米安保同盟の鍵は犠牲の共有 東京国際大学特命教授・村井友秀

東京国際大学特命教授・村井友秀氏
東京国際大学特命教授・村井友秀氏

 日本と中国は永遠の隣国である。二国間の関係は距離が近いほど、経済が大きいほど接触が多くなり摩擦が大きくなる。

 ≪日本に対する脅威≫

 現在の世界で隣国を超えて大規模な軍事作戦を展開できるのは米国だけである。従って日本を攻撃できる軍事能力のある国は、米国と隣国ということになる。世界の軍事力ランキング(GFP)を見ると、関係国で日本(5位)よりもランキング上位の国は米国(1位)、ロシア(2位)、中国(3位)である。米国は日本の同盟国で脅威ではない。日本の脅威になる国はロシアと中国、そして日本を核攻撃できる北朝鮮(25位)ということになる。

 また脅威は軍事能力と侵略意志の掛け算である。侵略意志とは相手の同意なしに現状を力で変更しようとする意志である。ロシアのプーチン大統領は力で東欧の現状を変更して失った旧ソ連の勢力圏を復活しようとしており欧州にとって脅威である。他方、極東ロシアの国境線は旧ソ連時代と同じでありロシアが失ったものはない。ロシアのアジア戦略は現状維持である。中国は軍事力を使って東南アジア諸国の抵抗を排除し南シナ海の現状を変更した(修正主義)現状変更勢力である。