正論

年頭にあたり 国家の礎たる教育を考えるとき 日本大学教授・先崎彰容

最後の大学入試センター試験に臨む受験生ら=2020年1月18日、大阪府吹田市の大阪大(須谷友郁撮影)
最後の大学入試センター試験に臨む受験生ら=2020年1月18日、大阪府吹田市の大阪大(須谷友郁撮影)

 年始早々、2度目の緊急事態宣言が発令された。昨年の今頃、我々はまだ「新型コロナ禍」という言葉すら知らなかった。令和2年が戦後初の緊急事態宣言が発令される年になるなど、誰が想定していたであろうか。1回目の緊急事態宣言前後、小中高等学校は閉鎖を余儀なくされた。大学はいまだにオンライン講義が主流を占めていて、対面授業はままならない。今回は、さすがに学校閉鎖は行われず、大学入学共通テストも通常通り行われるとのことである。年頭にあたり、しばらく眼前のコロナ禍を離れ国家の礎たる教育について深く考えてみたい。

 ≪大学入試改革の核心は≫

 すっかり忘れられているが一昨年末に萩生田光一文部科学相は、検討の末に大学入学共通テストに記述式を導入する案を見送った。例えば国語で120字の記述式を導入すべきかどうかの是非をめぐり議論百出、採点の公平性は担保できるのか、業者委託でアルバイトが採点するとは何事ぞ、文科相の発言が差別的であるなどニュースや紙面は持ちきりであった。