正論

年頭にあたり コロナ対策は「危機管理」発想で 元駐米大使・加藤良三

政府与野党連絡会議で発言する菅義偉首相(手前から2人目)=12日午後、首相官邸(春名中撮影)
政府与野党連絡会議で発言する菅義偉首相(手前から2人目)=12日午後、首相官邸(春名中撮影)

 コロナ禍は「国家安全保障」の問題である。パンデミック(世界的大流行)は「平時」と違う「有事」の事態である。「平時の行政手続き」を超える「危機管理」の発想が要求される。

 ≪有事のリーダーの決意表明≫

 20年も前のことになる。2001年9月11日、米中枢同時テロが起こり、03年にはイラク戦争が始まった。筆者はワシントンで大使を務めていた。

 米政府の領袖(りょうしゅう)は当然高度の緊張感に満ち、かつ多忙を極めていたが「社交行事」も数は絞りつつ淡々とこなしていた。「テロリストごときの脅しには屈しない」という国の基本方針の表明であった。

 そうした一方、大統領、副大統領以下主要閣僚、政府高官は、メディアへの広報無しに分担して戦死者の墓参とウォルター・リード陸軍病院、ベセスダ海軍病院などに収容された傷病兵の慰問を一貫して欠かすことがなかった。