正論

緊急事態とゼロリスク追求の破棄 日本医科大学教授・松本尚

日本医科大学教授・松本尚氏
日本医科大学教授・松本尚氏

 1月7日に首都圏4都県に再び緊急事態宣言が発せられた。経済活動への影響は少なくなく、予定の1カ月で解除となるよう国民の一層の行動変容が期待される。

 昨年12月30日の東京都のモニタリング会議では、年末の新規陽性者数は20~30歳代が47%を占め、濃厚接触者の感染経路は家庭内が49%となっていることから、若者が外での会食で感染し家庭内で広がっている構図が浮かぶ。

≪「敵」を見て臨機応変に≫

 若者には会食時の注意喚起や機会制限が、また国民全体には家庭内感染の徹底した予防策の提示が不足していたと思われる。緊急事態宣言に至る前に政府分科会や日本医師会、そしてメディアにはこの点を強力に広報してほしかったところである。今月16、17日には大学入学共通テストが予定され、中学、高校を含めた入試も本格化する。今まさに全力で試験に挑もうという受験生たちの感染リスクを減らすためにも一人一人が予防に協力すべきだろう。