正論

維新の大業の一環「建国記念日」 東京大学名誉教授・小堀桂一郎

 昨令和2年には新帝陛下御治世の下での初回の建国記念の日を迎へたが、偶々(たまたま)『日本書紀』撰上千三百年の記念年だつたので、自然に神武天皇の肇国(ちょうこく)事業に懐古的感想を馳せるめぐり合(あわ)せとなつた。

 それは慥(たし)かに建国記念の日の意義を考へる際の正統的な視点であるが、それと並んでもう一つ、此の祝日の制定を明治維新の大業の一環だつたと捉へる見方がある。