正論

日韓の叡智が必要なときなのに 龍谷大学教授・李相哲

軍事境界線近くを散策中にベンチに座り、話をする韓国の文在寅大統領(左)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=2018年4月27日、板門店(韓国共同写真記者団・共同)
軍事境界線近くを散策中にベンチに座り、話をする韓国の文在寅大統領(左)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=2018年4月27日、板門店(韓国共同写真記者団・共同)

 韓国外相に就任した鄭義溶(チョン・ウィヨン)氏は今月5日、国会人事聴聞会で「金正恩委員長は韓半島情勢と国際情勢を正確に認識している指導者だ。非核化意志はまだあると思う」と答えた。文在寅大統領の「金委員長に非核化の意志は間違いなくある」との発言を踏襲した発言だろう。いま、北朝鮮が核を放棄すると思っているのは文氏と鄭氏、引いては文政権の閣僚くらいではないか。

 ≪「無知」なのか「無恥」か≫

 鄭氏は文政権で北朝鮮政策の立案、執行に中心的な役割を果たした人物だ。国家安保室長在任中の2019年11月、韓国に亡命した北朝鮮船員2人を秘密裏に北朝鮮へ送還した人物とされる。聴聞会で鄭氏は「2人は凶悪犯だったから帰した」と答えた。2人は裁判なしに目隠しされ、捕縛された状態で北朝鮮に引き渡された。