正論

中国の政治体質に欠ける品格 平和安全保障研究所理事長・西原正

中国全人代の閉幕式を終え、李克強首相(右)と言葉を交わす習近平国家主席=11日、北京の人民大会堂(共同)
中国全人代の閉幕式を終え、李克強首相(右)と言葉を交わす習近平国家主席=11日、北京の人民大会堂(共同)

 中国が国際政治において「台頭する超大国」と言われるようになって久しい。いまや2028年頃には米国を追い越して世界最大の経済大国になるといわれる。

 しかし中国は経済力と軍事力の分野で秀でていても、指導者たちの統治手法はきわめて品格に欠ける。国民から人権を奪い、政府の政策に従う人たちのみを「愛国者」と呼んだり、少数民族への文化的配慮を無視したりするなど、驚くばかりである。また国民と共有すべき情報の隠蔽(いんぺい)や、弱小国に対する傲慢な態度もそうである。

 最近の5つの例を見よう。

 ≪人権失った香港、ウイグル族≫

 1997年香港が中国に返還されたときには、向こう50年間中国大陸とは異なる民主主義体制の維持が約束された。しかしこの一国二制度は次第に制限された。2014年の大規模な雨傘運動による民主化要求も、その後の香港当局による抗議運動の切り崩しにあって暗転した。