正論

核の「水晶球」効果と伴う責任 京都大学大学院教授・中西寛

夜明けを迎えた福島県双葉町から望む、東京電力福島第1原子力発電所=11日午前6時18分
夜明けを迎えた福島県双葉町から望む、東京電力福島第1原子力発電所=11日午前6時18分

 福島第1原発事故を起こした東日本大震災から10年が過ぎた。このタイミングで原発事故の再検証や証言録が多く公表されている。それらは事故の切迫性を改めて印象づけている。

 ≪平和と軍事の分けがたい本質≫

 最も緊迫したタイミングは2度あった。第一は1号、3号機の建屋が水素爆発した後、3月14日未明に2号機の圧力を下げられず炉本体の破壊が懸念されたとき、吉田昌郎所長は死を覚悟し最小限の要員を残して撤退させた。が、爆発したのは4号機建屋で2号機の炉本体の損傷は軽微にとどまった。