正論

中国が切る「黒人カード」の深謀 文化人類学者 静岡大学教授・楊海英

 3月中旬、米国・アラスカのアンカレジで米中外交トップによる会談が行われた。米側はブリンケン国務長官と国家安全保障問題担当のサリバン大統領補佐官、中国からは楊潔●(よう・けつち)共産党政治局員と王毅国務委員兼外相が出席した。

≪中国への警戒感薄い日本≫

 ブリンケン氏らは新疆(しんきょう)ウイグル自治区・香港・台湾・対米サイバー攻撃と、同盟国に対する経済的強圧等、中国の行動に対し明確な問題提起をしたところ、中国側は外交上の礼儀を無視して感情的な反論をまくし立てた。楊潔●氏は以下の趣旨の発言で反論した。

 「米国には上から目線で偉そうに中国にものを言う資格はない。その手には乗らない。我々が西洋人から受けた苦しみは少なかったとでも言うのか。外国から包囲された期間は、これでも短かったとでも言うのか。米国の人権問題は根深いし、黒人を殺戮(さつりく)している。米国には米国の民主があるだろうが、中国には中国の民主がある」