正論

中国脅威と21世紀の日本の使命 明治大学名誉教授・入江隆則

中国の軍服を着用して授業を受けるウイグル人の子供たち。現地では「中国化」が進む(日本ウイグル協会提供)
中国の軍服を着用して授業を受けるウイグル人の子供たち。現地では「中国化」が進む(日本ウイグル協会提供)

 20世紀の日本は、3つの大きな世界史的事件に遭遇したが、見事にそれを克服して、自らの使命を果たしてきたと思う。

 ≪20世紀日本の3つの事件≫

 その第一は、1904(明治37)年に勃発し、翌年にかけ極東の陸海域で戦われた日露戦争での日本の勝利である。ロシア軍を撃破した日本軍の奮闘は、当時世界を支配していた白人大国の一つロシアに対して、極東の黄色人種の小さな国日本が、決定的な勝利を収めた事実によって、全世界を感嘆させた大事件だった。