正論

「台湾有事」は日本の有事である 元内閣官房副長官補同志社大特別客員教授・兼原信克

台湾海峡を通過する米海軍のミサイル駆逐艦「ジョン・フィン」=3月10日(米海軍提供、ロイター)
台湾海峡を通過する米海軍のミサイル駆逐艦「ジョン・フィン」=3月10日(米海軍提供、ロイター)

 ≪日米共同声明に半世紀ぶり≫

 4月16日、菅義偉首相は、バイデン新米大統領がホワイトハウスに迎え入れた最初の首脳となった。日米共同声明では、「台湾海峡の平和と安定」「両岸問題の平和的解決」という文字が躍った。半世紀ぶりのことである。

 1969年11月21日、ワシントンを訪問した佐藤栄作首相は、日米共同声明で台湾地域の平和と安全が日本の安全にとって極めて重要と述べた。当時、中華民国(台湾)は米国の同盟国であった。戦後日本は、大日本帝国から分離された朝鮮半島南部と台湾島の防衛を米国に委ね、周辺地域が力の真空となることを防いだ。それが吉田茂首相が生み、岸信介首相が改定した日米同盟による地域安全保障の構想であった。佐藤首相の台湾への言及は当然であった。