正論

尖閣・領土主権堅持の世界的意義 東京大学名誉教授・小堀桂一郎

尖閣諸島。手前から南小島、北小島、魚釣島=沖縄県石垣市(鈴木健児撮影)
尖閣諸島。手前から南小島、北小島、魚釣島=沖縄県石垣市(鈴木健児撮影)

≪「主権回復記念日」に際し≫

 4月28日は日本の対連合国講和条約が発効した記念の日である。昭和27年のこの日から既に69年の歳月が過ぎた。この日付にその旨を明記してゐる市販の暦もあるけれども極めての少数派であらう。

 平成9年のこの日に、此(これ)を主権回復記念日といふ国民の祝日に制定しようとの趣旨で開催した民間有志の発案になる国民集会も本年で第25回となる所だが、武漢肺炎の猖獗(しょうけつ)が未(ま)だ終熄の見込の立たない現状では、集会開催は慎しまざるを得ない。昨年迄(まで)連年欠かさず集会の形で訴へ続けて来た祝日の制定といふ目標も、依然として達成ができぬままに休会となつた。