正論

国民の“命の敵”となった憲法9条 作家・ジャーナリスト・門田隆将

門田隆将氏
門田隆将氏

 陸海空の戦力保有と国の交戦権を否定した憲法9条は、平和憲法の象徴として左派勢力によって神聖化されてきた。しかし、逆にその条項が国民の「命の敵」と化していることについて論考したい。

 ≪国際情勢の激変の中で≫

 まもなく施行から74年を迎える日本国憲法は成立以来、一言一句変わっていないという意味で「世界最古の憲法」である。

 同じ第二次大戦の敗戦国でもドイツは連合国の介入を押しのけ、1949年5月、政治家・法律家で構成する議会評議会で条文を起草し、ドイツ連邦共和国基本法を定めた。その後も六十余回改正し、内外の状況変化に対応してきた。その意味で全く変わらない日本国憲法とは対(つい)を成している。

 では、なぜ日本国憲法が国民の「命の敵」となってきたのか。