正論

憲法改正なしで自由と民主守れぬ 麗澤大学教授・八木秀次

拉致問題解決を願う「ブルーリボン」バッジを胸にバイデン米大統領(右)との共同記者会見に臨む菅義偉首相=4月16日、米ワシントンのホワイトハウス(AP)
拉致問題解決を願う「ブルーリボン」バッジを胸にバイデン米大統領(右)との共同記者会見に臨む菅義偉首相=4月16日、米ワシントンのホワイトハウス(AP)

 憲法は国の最高法規であり、国家と国民の間、国家機関の間の関係を規律した法律だが、国家の成り立ちの根拠となる「国体」(コンスティチューション)を規定した文書でもある。「国体」には(1)国の歴史・伝統に立脚する歴史的価値(2)今日の国家が立脚する普遍的価値-の2つの要素がある。

 ≪全体主義に対し決定的欠落≫

 日本国憲法は敗戦後の占領下に制定された事情もあり、(1)が決定的に欠落している。「日本の匂い」がしないゆえんだ。(2)について日本国憲法は、自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配、国際法の遵守(じゅんしゅ)、自由で公正な経済秩序という自由民主主義の普遍的価値に立脚している。だが、この点についても日本国憲法には決定的な欠落がある。これらの価値が全体主義によって脅かされたときに、どう守るのかについての規定がないことだ。