正論

明るいと信じたい脱コロナ時代 双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦

 ≪「悲観は気分、楽観は意志」≫

 「変異株」の急拡大に、日本全体が恐れおののく日々が続いている。東京五輪も中止しろ、との声が増えている。しかし、「悲観は気分、楽観は意志」という。たまには少し長い目で、アフター・コロナの時代を展望してみよう。

 今からちょうど100年前、世界は第一次世界大戦とスペイン風邪というダブルパンチで疲弊していた。当時の米国の人口は約1億人。その1%弱が大戦とパンデミックによって失われている。

 1920年の米大統領選挙では、共和党のウォレン・ハーディングが「平常への回帰」を掲げて勝利した。前任者、ウッドロー・ウィルソンの理想主義は忘れられ、保守主義、自由放任、移民制限、そして軍縮の時代へ向かう。ウィルソン大統領が提唱した国際連盟参加を米議会が拒否したのは、自然な成り行きであった。

 ところが、その後訪れたのは「平常への回帰」どころか、「狂乱の20年代」と呼ばれる好景気の時代だった。次のカルビン・クーリッジ大統領の時代は、減税しながら財政赤字が解消したほどだ。