正論

日本国憲法は「文化財」にあらず 日本財団会長・笹川陽平

日本財団の笹川陽平会長
日本財団の笹川陽平会長

 74回目の憲法記念日を迎え、メディア各社が実施した世論調査で、憲法改正に賛成する意見が軒並み上昇、反対意見を上回った。緊急事態条項創設に関しても、必要とする意見が急上昇し、昨年を大きく上回った。

 中国の軍事大国化や北朝鮮の核武装など厳しさを増す安全保障環境に加え、新型コロナウイルス禍で外出自粛や休校など日常生活が大きく制約される中、憲法とどう向き合うか、考える人が増えたのが原因と思う。

 ≪決めるのは主権者国民の総意≫

 憲法は国の基本であり最高法規である。改正するか否かを決するのは主権者たる国民の総意である。然(しか)るに、これまでの憲法論議は「戦争の放棄」を定めた第9条を中心にイデオロギー論争の色彩が強過ぎた。今、必要なのは国民的議論の広がりである。