医療蝕む「やりがい搾取」 過労自殺医師の「叫び」

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医師の働き方改革案のポイント

医師の働き方改革案のポイント

 厚生労働省は5日、医師の働き方改革で残業規制を目指す案を示した。医療の現場は過酷だ。昼夜関係なく患者に対応しなければならない。改革は「聖域」とされた医師へと切り込む。

 「患者の命と医師の命を比べることはせず、最低限、医師が健康な生活をできるようにしてほしい」。小児科医だった夫=当時(44)=を過労自殺で亡くした中原のり子さん(62)はこう訴えた。

 夫は勤務先の東京都内の私立病院で平成11年に小児科部長代行になり、業務が増加。数人の医師が退職したものの補充がなく、1日半連続で働く当直に月8回入ることもあった。

 「病院に殺される」。亡くなった夫が残したメモにそう書かれていた。中原さんは「聖職者意識や『患者のために』といった医師のやりがいを搾取(さくしゅ)してきた。医師個人に負わせるのではなく、医療体制全体で見直してほしい」と求める。