昭和天皇の87年

満鉄線路を爆破!関東軍の怒濤の進撃が始まった

画=井田智康
画=井田智康

■第91回 満州事変(3)

 満州の主要都市の一つ、奉天(現中国遼寧省瀋陽)の北方に、柳条湖と呼ばれる平原がある。現在は低層マンションなどが立ち並ぶ商業地だが、1930年代当時は人家もまばらで、見渡す限りの高粱(コーリャン)畑と、水平線まで伸びる南満州鉄道(満鉄)の線路があるだけだった。

 1931(昭和6)年9月18日午後10時20分、一面の高粱畑を照らしていた月は沈み、降るような星空の下、大地を揺るがす轟音(ごうおん)が突然響いた。線路に仕掛けられた爆薬が炸裂(さくれつ)したのだ(※1)。