昭和天皇の87年

天津を脱出したラストエンペラー 「満州を我が帝国に…」

画=井田智康
画=井田智康

■第94回 幣原外交(2)

 清朝最後の皇帝、愛新覚羅(あいしんかくら)溥儀(ふぎ=宣統帝)が暮らす天津日本租界の仮寓(かぐう)に、関東軍の奉天特務機関長、土肥原賢二が訪れたのは1931(昭和6)年11月初めの夜である。

 「関東軍は誠心誠意、満州人民が自己の新国家を建設するのを援助します。陛下におかれましては、すみやかに祖先発祥の地に帰り、親しく新国家の指導にあたられますよう、お願い申し上げます」

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