次代に託された「象徴天皇像」 陛下、声詰まらせ国民に感謝 

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「天皇陛下御在位三十年記念式典」で、お言葉を述べられる天皇陛下=24日午後、東京都千代田区の国立劇場(川口良介撮影)
「天皇陛下御在位三十年記念式典」で、お言葉を述べられる天皇陛下=24日午後、東京都千代田区の国立劇場(川口良介撮影)

 在位30年を祝う24日の政府主催の記念式典で、天皇陛下がお言葉で伝えられたのは、次代に託した象徴天皇像への願いと、象徴の務めとして向き合ってきた国民への感謝だった。譲位まで2カ月余りに迫る中、陛下は時折、感情を高ぶらせながら、集大成となるメッセージを1283文字に込められた。陛下のお言葉は、4月30日の「退位の礼」を残すのみとなった。

 「寄せられた祝意に対し、深く感謝いたします」。会場となった国立劇場大劇場。陛下はステージ中央の席から立ち上がり、ゆっくりとした口調でお言葉を読み上げ始められた。「今日(こんにち)こうして国の内外の祝意に包まれ」「日本は国民の平和を希求する強い意志に支えられ」-。国民への謝意を述べる中では、声を詰まらせられる場面も。何度も会場に視線を上げ、語りかけるように約8分半、言葉を紡がれた。