発達障害「生きづらさ」を生きる 第2部(1)

文字や写真の「視覚支援」が有効

ASDの子供にもわかるよう、母親が工夫を重ねたカレンダー。予定を視覚化するためにポケットにイラストや写真付きのカードを入れた
ASDの子供にもわかるよう、母親が工夫を重ねたカレンダー。予定を視覚化するためにポケットにイラストや写真付きのカードを入れた

 「なんで遠足ないの。なんで、なんで」。13年前、リュックサックを背負ったまま泣き叫ぶ4歳の長男、哲哉君=仮名=を前に、最初はなだめていた母親の森本香織さん(49)=仮名、大阪府=も「2日後って言ってるでしょ」と思わず怒鳴った。

 哲哉君が泣いたのは、幼稚園の遠足が雨で中止になったから。「今日は雨だから、遠足は2日後よ」。何度言い聞かせても納得せず、イライラを募らせた。

 それまで、乳幼児健診で発達の遅れを指摘され、「幼いとはいえ、なぜ私の言うことがわからないの」と哲哉君の言動に疑問を抱くことはあったが、周囲から「男の子はそんな感じよ」と言われ、大丈夫だと自身に言い聞かせていた。

《連載》発達障害「生きづらさ」を生きる
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