昭和天皇の87年

ついに満州事変が終結 日中に束の間の平和が訪れた

画=井田智康
画=井田智康

第106回 熱河作戦

 「国際平和ノ確立ハ 朕常ニ之ヲ冀求(ききゅう)シテ止マス 是ヲ以テ平和各般ノ企図ハ 向後亦協力シテ渝(かわ)ルナシ 今ヤ連盟ト手ヲ分チ 帝国ノ所信ニ是レ従フト雖(いえども) 固(もと)ヨリ東亜ニ偏シテ友邦ノ誼(よしみ)ヲ疎(おろそ)カニスルモノニアラス 愈(いよいよ)信ヲ国際ニ篤クシ 大義ヲ宇内(うだい)ニ顕揚(けんよう)スルハ 夙夜(しゅくや)朕カ念トスル所ナリ」

 昭和8年3月27日、国際連盟を脱退するにあたり発せられた、詔書の一部である。詔書案は政府が起草するが、昭和天皇は、世界の平和を念じていることと、「友邦ノ誼ヲ疎カニスルモノニアラス」との文言を入れるよう、強く求めた。そこに、国連を脱退してもなお、国際協調の精神を保持しようとする真情がうかがえる。

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